活動内容/排尿管理研究会/第21回

第21回排尿管理研究会  [2008年1月19日(土)]

<一般講演>
有限会社第一営繕 稲村 吉則氏「介護の視点から見た住宅の新築工事と改修工事の注意点」
有限会社第一営繕 稲村 吉則 

「リハビリテーション病棟のトイレ空間について」
癒しのトイレ研究会 磯 誠二

「マウスで排尿障害を研究する - VSOP法の紹介」
京都大学医学部泌尿器科 杉野 善雄

「間質性膀胱炎に対する試験食品MSM-Rの臨床効果の検討」
京都市立病院 泌尿器科 中川 雅之 

「間質性膀胱炎の最近の話題」
京都市立病院 泌尿器科 上田 朋宏

「島田弱弯ニードルを用いたin-side-out法によるTVT-OT手術の成績」
産業医科大学 泌尿器科 野村 昌良

佐賀大学医学部看護学科 佐藤 和子氏「高齢者の排尿ケアに関する研究
-施設入所の女性認知症高齢者の尿失禁・残尿量および関連要因の検討-」
佐賀大学医学部看護学科 佐藤 和子

「高齢者における膀胱訓練の意義」
三愛園在宅介護支援センター 坂本 増美

「宮崎県における抗コリン剤の使用状況  本当に患者は満足しているのか?」
宮崎大学医学部泌尿器科 井上 勝己

「回復期リハビリテーション病棟における積極的な排尿ケアの取り組み
−尿失禁改善とFIMとの関連性についての評価−」

潤和会記念病院 N3階病棟 湯淺 智美、三森 久子

「男性間質性膀胱炎症例についての検討」
南里泌尿器科医院 南里 正晴


<特別講演>
東京女子医科大学東医療センター 泌尿器科 講師 巴 ひかる氏 「女性の下部尿路症状(LUTS)の診断と治療」
東京女子医科大学東医療センター 泌尿器科 講師 巴 ひかる

◆下部尿路機能に関わる症状について
下部尿路機能に関わる症状は、蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状と分類し、これらを下部尿路症状(lower urinary track symptoms; LUTS)と呼びます。蓄尿症状には、昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁などがあり、これらをまとめて過活動膀胱(overactive bladder; OAB)といいます。日本国内において約810万人がこの疾患にかかっており、約半数が切迫性尿失禁(urgent urinary incontinence; UUI)を伴い、UUIの合併率は女性で高くなっております。

※頻尿
トイレに行く回数が多いこと、一般には日中8回以上といわれている
※尿意切迫感
おしっこに行きたくなると我慢ができない、急な尿意で困る状態
※切迫性尿失禁
突然尿がしたくなってがまんできなくなり、トイレに間に合わずに漏れてしまうこと
※合併率
ひとつの病気に関連して起こる別の新しい病気や病症の割合

◆LUTSとは
女性のLUTSでは蓄尿症状が多くみられます。LUTSには、性交に伴う症状、骨盤臓器脱に伴う症状、生殖器痛・下部尿路痛なども加えられております。生殖器痛・下部尿路痛といえば、間質性膀胱炎(interstitial cystitis; IC)が急速に認知されるようになりました。

※間質性膀胱炎
頻尿や尿意切迫感、膀胱充満時(膀胱におしっこが溜まったとき)の膀胱痛や不快感などの症状がみられる慢性の疾患

◆多飲による多尿について
第21回排尿管理研究会の様子水分を多く摂取することにより、尿量が増え、「頻尿」になります。1日の尿量は1500ccほどあれば十分です。脱水はよくないですが、水分を過剰に摂っても脳梗塞や心筋梗塞の予防にはならず、血液もさらさらになりません。「排尿日誌」から多飲による多尿を認めたら、飲水コントロールを指導して尿量を正常化させることで、過剰な投薬を減らすことも可能となります。このように排尿日誌が診断の決め手となることが多いです。

◆急性膀胱炎について
日中、夜間を問わない激しい「頻尿」と尿意切迫感、膀胱痛がみられます。また、女性に多くみられる疾患です。治療法として、抗菌薬を3〜7日間投与する、水分を多めにとるなどが挙げられます。

◆心因性頻尿とは
精神的な不安やストレスは原因となって頻尿がおこります。リラックスしているときはトイレが気にならないことが特徴です。夜眠っているとき、尿意で目がさめることはありません。従って起床時には普通に尿が出ます。排尿日誌をつけて、生活リズムを把握しましょう。

◆腹圧性尿失禁について
第21回排尿管理研究会の様子運動時、せき、くしゃみ、笑ったときなどおなかに力がかかったときに尿が漏れます。治療として、保存的療法(骨盤底筋体操)、神経刺激療法(電気・磁気刺激)、薬物療法(βアドレナリン刺激薬;古典的な方法)、手術療法(TVT法)が挙げられます。腹圧性尿失禁は手術で治ります。

◆TVT手術とTOT手術について
TVT手術の利点としては、成功率の高さ(90%)が挙げられます。TOT手術の利点は手術時間が少ないことです。
〜その他TVT手術とTOT手術の効果等の違いについても説明されました。〜

◆過活動膀胱(OAB)について
尿の回数が多い、がまんできずに漏らしてしまう、などの症状はありませんか?OABの可能性が考えられます。OABの症状は、膀胱におしっこが溜まらないうちに膀胱の筋肉が勝手に収縮してしまうことによりおこる病気です。40歳以上の日本人8人に1人がOABによって日常生活に支障をきたしております。QOL(quality of life;人が充実感や満足感を持って日常生活を送ることができること)について、切迫性尿失禁が腹圧性尿失禁より低い水準となっております。

第21回排尿管理研究会の様子OABの患者さんのうち、医療機関を受診しているのは22.7%です。また、女性は7.7%と特に低い数字となっております。原因として、女性は受診するのが恥ずかしいと考えている方が多いと考えられます。今後も啓発活動が必要です。

◆OABの治療法
OABは、主に薬とトレーニングにより治療します。薬の治療としては、抗コリン薬が膀胱の収縮を抑える作用のある薬として挙げられます。トレーニングとしては、膀胱訓練があります。頻尿・尿意切迫感のある人に有効です。OABを診断する上でOABとICの症状はよく似ているため、注意しなければいけません。

◆ICの発症原因
柑橘類、トマト、イチゴ、リンゴ、唐辛子、ワイン、コーヒーなど様々です。人によって原因となるものが異なります。

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