セミナー・ワークショップ/介護セミナー
第17回「快適な排尿をめざすセミナー」を開催しました。
日時: 2009年2月7日(土) 13:30〜16:30
場所: メルパルク京都
- 1.「バルーンカテーテルの功罪」
- 京都市立病院泌尿器科 医師 上田 朋宏
バルーンカテーテルを何のために挿入し、どんな怖さがあるのかみんなで考えました。
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- 2.「医療機関における接患・接遇マナー、ロールプレイング part2」
- 有限会社ハーランドプロジェクト 代表 畠田 智津子 氏
医療機関で起こりがちな問題をテーマに、前回同様ディスカッションも行い、ホスピタリティ・マインドやスキルを共に考え、生産性の高い仕事への改善意識を醸成しました。
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- まとめ
- 京都市立病院泌尿器科 医師 上田朋宏
内容
1.「バルーンカテーテルの功罪」
- ・尿道留置カテーテルって何?
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正常な下部尿路症状は、尿を膀胱でためて、適切な場所で尿を残尿なく出し切ることです。しかし、いろいろな理由で尿が出せなくなったとき、体の外に尿を出す必要が出てきます。これが重要です。特に、尿が出なくなることを尿閉もしくは無尿といいます。
尿閉は膀胱に尿がたまっているのに出せないことをいいます。無尿は、尿管閉塞のような腎後性、腎障害のような腎性、腎血管閉塞などのような腎前性に分けられます。
尿閉の場合に尿道からネラトンカテーテルを挿入して、膀胱の尿を抜きます(導尿)。このような閉鎖腔から体液を抜くことを「ドレナージ」といいます。膀胱内を清潔にするという意味で重要な行為です。
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- 尿閉を放置すると…
- 強い尿意が起き、疼痛が出現します。尿路感染や腎機能障害を起こす可能性があります。
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バルーン挿入のコツ
- ・男性の場合
前立腺の抵抗を超えること
・女性の場合
外尿道口をみつけること
です。女性の場合、入口がはっきりするわけではないので、見えにくいです。
〜模型を使って説明させていただきました。長期バルーン留置の問題点、すなわち留置により引き起こされる感染などについてもお話させていただきました。〜
2.「医療機関における接患・接遇マナー、ロールプレイング part2」
- 本日のキーワード
「触れ合い、関心をもつ、共感する」です。共感することにより、コミュニケーションが広がり、表現する力が身につきます。職場では表情や声といったもので演出することも大切になってきます。
〜まず、参加者同士、肩たたきを行ってもらい、触れ合ってもらいました〜
- ストローク・コミュニケーション
- コミュニケーションは「キャッチボール」に例えられます。キャッチボールのボールに相当するものを、専門用語で「ストローク」と言います。コミュニケーションとはストロークを交換することです。言語によるストローク(ほめる、励ます等)、非言語のストローク(ほほえむ、うなずく等)があり、肯定的なものと否定的なもの(しかる、たたく等)とに分けられます。
人との関わりの中で、大切なことは、「相手のことを覚えていますよ、関心がありますよ」と表すことです。
ただし、大きなお世辞はよくないです。また、触れることがプラスのストロークになる場合が多いです。相手が気分がよくなる演出をする、すなわちプラスのストロークをたくさんおこなうと、いいことが倍になって返ってくることが多いです。職場では、相手にできるだけ多くのストロークを与えてあげましょう。
〜参加者の皆様にデリバリースキルチェック(肯定的な言葉を使う、感謝の言葉をつかう等)に記入いただき、各自仕事をしているときの自分を振り返ってもらいました。〜
- プラスアルファについて
- 例えば、御礼を申し上げるときでも、「ありがとう」だけでなく、「嬉しい」、「先輩のお蔭です」等付け加えましょう。上司に褒められたとき、御礼に加え、「これからもっとよくなるには、どんなところに気をつけたらいいでしょうか」等の言葉も効果的です。
〜また、患者様の内面に入れば入るほど診察時間が増えてしまう、ストロークを返し続けると沢山言ってくる患者様もいるので黙ることもひとつの方法なのでは?等さまざまな現場での悩みや意見が出ました。〜
- こんな時、あなたならどうする?
〜「受付窓口で今呼ばれて入った人は私よりも後から来たんですよ、と怒っている患者様に対しては?」、「待合室で1時間も以上も待たされ、いらいらした患者様に対しては?」等さまざまなシーンでの応対を参加者に考えてもらいました。〜
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