セミナー・ワークショップ/介護セミナー

第15回「快適な排尿をめざすセミナー」を開催しました。

日時: 2008年9月6日(土) 13:30〜16:30
場所: メルパルク京都

1.「脊髄損傷患者におけるCIC」
兵庫県立総合リハビリテーションセンター 泌尿器科 部長 仙石 淳 先生

脊髄損傷患者における排尿方法の主体であるCICの実際とその問題点について、当院での指導方法や 頚髄損傷患者へのCIC適応拡大の試み、QOL調査も交えてご紹介くださいました。
 
2.「自己導尿は試行錯誤」
大阪市立総合医療センター 泌尿器科外来 看護師 田中 悦子 氏

自己導尿について、スタッフの意識改革から患者指導についてお話されました。小児や婦人科の方の自己導尿や訪問看護師の立場からも話をされました。
 
まとめ
京都市立病院泌尿器科 医師 上田朋宏

内容

兵庫県立総合リハビリテーションセンター 泌尿器科 部長 仙石 淳 先生1.「脊髄損傷患者におけるCIC」

中高年者の頚髄損傷が増加傾向にあります。その受傷原因としては、交通事故・転倒・転落で、全体の約9割を占めています。


脊髄損傷患者の尿路管理
1972年に清潔間欠導尿法が提唱されました。その導入・普及が尿路性器系障害による死因の割合を減少させました。
 
急性期尿路管理方法
原則:
  1. 膀胱を過伸展させない(膀胱内圧を低く保つ)
  2. 膀胱尿管逆流症や上部尿路障害をきたさない
  3. 尿道狭窄、尿道損傷をつくらない
  4. 尿路感染、精路感染をできるだけ抑える
種類:
  1. 間欠導尿法
    1) 清潔間欠導尿
    2) 無菌間欠導尿  (スタッフのマンパワーの問題がある)
  2. 尿道留置カテーテル法
  3. 恥骨上膀胱瘻術
 
どの方法を選択すべきか?
  1. 理想的なタイミングで導尿できるのであれば、可及的早期から清潔間欠導尿法(CIC)もしくは無菌間欠導尿法をおこなうことが望ましい(できるだけ尿路および精路への感染をおこさず、尿道のダメージを与えないために)
  2. それが不可能であれば,留置における注意点(腹壁固定等)を守りながら約2ヵ月間を限度に通常の尿道留置カテーテル法をおこなっても構わない(自験例での経験上、カテーテル留置時における注意点を守れば、2ヶ月間ぐらいまでなら尿道に非可逆的な損傷はまず起こらない)
  3. それ以上のカテーテル留置が必要であれば、恥骨上膀胱瘻術への変更を検討すべき
  4. 座位バランスが取れるようになったら留置カテーテルを抜去し、間欠的自己導尿の練習に移行する
 
延長チューブ付きセルフカテーテルの紹介
自己導尿ができるレベル・・・当センターでの上限は男性:C5B、女性:C6B2。
延長チューブ付きセルフカテーテル(兵庫県立リハビリテーションセンター)、
セルフカテ EXR (フジシステムズ、共同開発により最近発売が開始された)
などを使用すると、車椅子に座ったままでも、トイレの便器に尿が流せます。そして、この方法は男性頚損患者に外出時トイレでの自立導尿を可能にしました。
 
間欠式バルンカテーテルの紹介
仕事や学校がある昼間、あるいは多尿をきたしやすい夜間に、患者自身が間欠式バルンカテーテルを挿入し、その間自己導尿から解放されます。カテーテルは1日8時間を目安に抜去して管理しますが、旅行などに行くときは、多少時間を延長することも可能です。またこの使用により、女性頚損患者の積極的な外出が可能となり、劇的にそのQOLが改善されました。
 
脊髄損傷患者の排尿管理におけるQOLの調査から
2001年 P.Costaは、脊髄損傷患者の排尿管理に伴う悩み事、制約、心配事、感情(気分)の4つのドメインについて、有効性と妥当性の証明されたQOL質問票(QualiveenR)を開発しました。この邦訳を用いた検討によると、間欠自己導尿法は自排尿や膀胱瘻と比較してQOLの優位性は認められませんでした。この結果は、脊髄損傷患者が置かれている社会的立場と排尿方法との相対的な関係を反映したものと思われ、一般健常人と共に仕事をしなければならない、比較的ADLのよい対麻痺患者や働き盛りの40歳代の患者のQOLがかえって低い傾向を示し、自己導尿法が少なからず社会生活の支障となっていることがうかがわれました。

 


2.「自己導尿は試行錯誤」

大阪市立総合医療センター 泌尿器科外来 看護師 田中 悦子 氏まず、大阪市立総合医療センターの概要、採尿室・検査室・内視鏡室、持ち帰り物品棚などのご紹介をいただきました。

 
患者指導の重要性
  1. 患者または家族に動機づけを与えること
  2. CIC(自己導尿)がなぜ必要なのかについて患者や家族が納得し、同意を得るまで十分な説明(CICの利点)を行うこと
  3. CICの実施後の定期的なフォローアップを行うこと
 
患者にとってのCIC
  1. 簡単な操作で家庭内に縛りつけられることなく施行できること
  2. 導尿の間隔はある程度時間に幅を持たせることも可能であり、計画通りの導尿時刻を厳守する必要のないこと
  3. CIC導入により、良好な結果が得られること

〜患者さんに対しての指導は、人それぞれ異なるためあせらずに行ってください、とアドバイスいただきました。〜

 
自分で体験してみる
看護師が導尿をおこなうことにより、患者さんの気持ちがよくわかるようになります。
 
CIC指導の実際
  • CICの目的と方法の説明
  • 日常生活:トイレ環境
  • 膀胱容量・膀胱内圧
  • 生活時間を考慮
  • 排尿前の手洗いの習慣化
  • トイレでのCICを目標
  • 残尿がないよう、ゆっくり抜く
  • 消毒液は毎日交換  など

〜使用している消毒液・潤滑剤についてもご紹介いただきました。〜

 
第15回「快適な排尿をめざすセミナー」の様子CICに起こりうるトラブル
  • 出血
  • カテーテル挿入困難
  • 尿失禁
    などが挙げられます。
 
小児の指導
子供の成長発達とCICの指導、その子なりの成長・発達・家族背景の評価が大切なこと、その他事例を用いてご説明いただきました。
 
自己導尿のキーワード
簡単(な指導がポイントとなります)

〜綿球の支給の有無、排尿記録、カテーテルをつかった指導など、参加者から現場での取り組みについて発表いただきました。〜


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