セミナー・ワークショップ/介護セミナー
第14回「快適な排尿をめざすセミナー」を開催しました。
日時: 2008年6月28日(土)
13:30〜16:30
場所: メルパルク京都
- 1.「楽しく行う褥瘡ケア」
- 医療法人松陽会 松浦病院 鈴木 定
褥瘡全般について、解りやすくお話されました。
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- 2.「褥瘡のちょっとした大事なケア・技術について」
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市立長浜病院 皮膚・排泄ケア認定看護師 笠原 みすず
現場ですぐ実践できる援助を事例を通してお話されました。
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- まとめ
- 京都市立病院泌尿器科 医師 上田朋宏
内容
1.「楽しく行う褥瘡ケア」
まず、褥瘡の定義、褥瘡発生の要因、褥瘡患者の基礎疾患や日本における褥瘡対策の歴史など褥瘡の基礎知識についてお話されました。現在、民間の病院で看護師、薬剤師、栄養士、医療事務のスタッフなどを含めチーム医療として取り組んでおられるので、そのあたりも踏まえて、お話をされました。
- 褥瘡発生の根本的な原因
- ベッドや椅子など硬いところで体の重みが加わり、局所の循環障害がおこり、組織が死に、褥瘡が発生します。
次に、30年前の褥瘡ケア(誤ったケア)と現在の考え方(正しいケア)との違いをご説明いただきました。
褥瘡は乾かして治す→現在は×。適切な湿潤状態が必要です。
褥瘡予防に円座を使用する→現在は×。円座は使用しません。
消毒をする→現在は×(基本的にはしません)。洗浄を十分にします。
〜また、2病院での経験から、医療施設における褥瘡対策の実践についてもお話されました。〜
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- 浅い褥瘡と深い褥瘡の差異
- 壊死の深さ、組織学的な差異、壊死組織、感染に対する抵抗力、必要とする肉芽組織、治療までの期間などが異なります。
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- 褥瘡治療のトピックス
- 陰圧閉鎖療法、マゴットセラピー、ラップ療法などご紹介いただきました。
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- 褥瘡ケアの効用
- 褥瘡ケアを行うことによって、
1.基礎疾患の管理
2.栄養管理
3.看護・介護ケア
体圧分散・摩擦ずれの防止・スキンケア・排泄ケア
などを徹底することができます。
2.「褥瘡のちょっとした大事なケア・技術について」
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適切な体位と寝具
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体位変換は、
2時間ごとに行う
側臥位は30度とする(骨突出の少ない殿筋で圧力を受けることができ、褥瘡発生の危険性を少なくできる)
ギャッジアップは30度まで
- とします。
寝具は体圧分散寝具を使用します。
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- 体圧管理
- エアマットは、電源が入っているか、体重設定は適切か、マットが膨らんでいるか、底付きしていないかなど気をつけます。ウレタンフォームマットレスはへたりがないか気をつけます。また、その他の体圧管理として、寝衣・寝具を減らす、寝衣・シーツのしわの除去が挙げられます。
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- 適切な体位 −座位−
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姿勢保持として、90度座位、15分毎のプッシュアップ
用具の使用として、除圧クッションが挙げられます。
- 〜また、
摩擦・ずれの予防、
湿潤(発汗・尿・便が原因)、
スキンケア(摩擦防止・ずれ防止・皮膚の保清・失禁対策)、
保湿剤(使用例)
などについてお話いただきました。〜
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- 失禁対策
- 失禁対策として、失禁用具、撥水剤、ストーマケア用品のご紹介をいただきました。
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