セミナー・ワークショップ/介護セミナー

第10回「快適な排尿をめざすセミナー」を開催しました。

日時: 2007年9月29日(土) 13:30〜16:30
場所: ぱ・る・るプラザ京都

1.「間違いだらけのおむつ選び」
排泄総合研究所/高齢生活研究所 代表 浜田 きよ子
2.「病院のトイレに求められること」
癒しのトイレ研究会 主任研究員 磯 誠二
まとめ
京都市立病院泌尿器科 医師 上田朋宏

内容

1.「間違いだらけのおむつ選び」

第10回「快適な排尿をめざすセミナー」の様子おむつの種類やおむつがどのような場合に使われるのか、おむつの使い方、おむつの使用にあたっての問題点についてお話いただきました。


・排泄ケアの目的について

おむつ選び、ポータブルトイレ選びではなく、その人の暮らしを向上させるものです。しかし、おむつをまだぐるぐる巻きにしている病院も少なくありません。


・おむつって何?

「おむつ」は姿勢をつくるものです。誤って使用すると、動きにくく、肌が荒れ、褥そうのリスクが高まります。安易におむつを使用する原因として、介護する人が足らない、介護する人の知識不足などが挙げられます。


・濡れたままのおむつの長時間使用

濡れたままのおむつで長時間使用すると、車椅子への移乗の際の肌への負担やベッドの背上げでのズレが生じます。


・おむつは選び方と扱い方

おむつは選び方と使い方が大切です。すなわち、

  • おむつを適切な大きさにし、適切な位置に置くこと
  • おむつが通気性のものであること
  • 清拭のときにこすらないこと

などに気をつけなければいけません。

また、特に高齢者はどうしても尿がアルカリ性になりやすく、おむつを弱酸性に保つスキンケアが大切になってきます。 おむつのサイズやあて方が悪いと、漏れの原因になり、不快感を生じ、スキントラブルの原因になります。


・排泄アウター・排泄インナー
  • 排泄アウター(軽失禁パンツ・紙パンツ・テープ止めタイプ・ホルダーパンツ)
    インナーを固定するものはテープ止めおむつ
  • 排泄インナー(小パッド・中パッド・大パッド)
    吸収するものは尿パッド

排泄アウターと排泄インナーの組み合わせにより、使っていきます。排泄アウターを正しく使うためには、

テープ止めおむつの場合
位置をあわす、左右の偏りがないように、テープの位置は左右同じ位置に止める、立体ギャザー(防波堤みたいなもので中にきっちり入るもの、1枚使うのが大原則)をつぶさないように、尿取りパッドは立体ギャザーの内側に入れる、尿取りパッドは尿量・交換回数などに配慮したうえで1枚だけ使用する、などです。
 
パンツタイプの紙おむつの場合
排泄総合研究所/高齢生活研究所 代表 浜田 きよ子氏使う人に合ったサイズのものを使用し、尿取りパッドがはみ出さないよう、尿取りパッドが紙パンツの立体ギャザーを潰さないように注意しなければいけません。また、紙パンツの立体ギャザーを押し込まず、後ろがしっかり上がっているか確認する必要があります。軟便対応パッドもありますが、あえて難をいえば、まだ価格が高いことが挙げられます。
 
男性のあて方
排泄総合研究所/高齢生活研究所 代表 浜田 きよ子氏縦巻き、貝巻きなどがあります。貝巻きの欠点として、表面積が小さい、入口が大きいためはずれやすく、むれやすいなどです。
 
寝たきりの男性用パッド、ぎょうざ型男性パッド
ぎょうざ型男性パッドは市販されているため、一度試しに買うのもよいかもしれません。
 
布おむつカバーと布おむつ
〜布おむつカバーと布おむつ、布の成型パッドを紹介いただきました。〜
 
ホルダーパンツ(アウターは布、インナーは紙)
パッドを固定するための布のパンツです。メリットとして、パッドのズレを防ぎ、失禁量にあわせてパッドを選ぶことができる、また何より普通の下着です。今後ごみの問題を含めて色々とこのような組み合わせが増えるのではないでしょうか。



2.「病院のトイレに求められること」

癒しのトイレ研究会 主任研究員 磯 誠二氏〜患者さん、看護スタッフの視点から病院のトイレに求められる要件を、「安全」「快適」「使いやすさ」のポイントごとに、事例を用いてお話をしていただきました。〜


病院の施設関係での不満として、「水まわり」の不満が非常に多いことがわかりました。では、病院の水まわりに求められることとはいったい何でしょうか?

癒しのトイレ研究会 主任研究員 磯 誠二氏→それは、
安全(転倒防止・感染防止)
快適(五感の快適・心理的な快適)
使いやすい(動作面の配慮・操作面の配慮)
ことです。

ここでいう五感(四感)の快適とは、視覚(落ち着けるデザイン、雰囲気)、触覚(トイレ内の空調)、臭覚(臭いのない空間)、聴覚(音の遮断)です。また、心理的な快適とは、患者さんに不安・不快・遠慮・羞恥・屈辱を与えないことです。擬音装置等の設置や、ポータブルトイレ使用者の尊厳への配慮、などが挙げられます。


・トイレは集中型から分散型へ

昨今、分散型のトイレ配置が増えていますが、病棟の部屋の中or外、どちらにトイレを設置したらよいでしょうか?

  • 部屋の中
    メリットはベッドからトイレが近くなること、デメリットは音や臭いが病室にもれやすいことなどが挙げられます。
  • 部屋の外
    メリットは共用性があること、デメリットはベッドからトイレが遠くなることなどが挙げられます。


・トイレでの転倒・転落について

70歳以上で急にトイレでの転倒・転落事故が増えます。

〜ここで、「なぜか患者さんがよく転ぶトイレ」についてもご紹介いただき、みんなで考えました。〜
→この場合、段差をよくみせる、もしくはなくすなどの対策を挙げられました。

転倒は排泄動作の後半に集中します。例えば、立ち上がりの際、扉を開閉したときなどです。
→1つの試みとして、立ち上がるときの「コール」などが研究されています。

その他、転倒防止策として、

  • 適切なレイアウト(便器横の壁は重要な意味を持ちます)
  • 手すりの選定と適切な配置(縦は立ち座り用、横は座位保持用)
  • 適切な便器の高さ(座位の保持を考えると、便座は低い方がいいです)
  • 段差の撤廃(どうしてもなくせない場合は、見えるようにします)

が挙げられます。


・車椅子の人のトイレ

癒しのトイレ研究会 主任研究員 磯 誠二氏便器や扉の配置や位置を変えるだけで、随分と使いやすくなったり逆に不便になったりします。


・トイレを「作る」時のポイント
  1. 早いタイミングで検討開始(予算や建築レイアウトが決まってしまうと、できることは限られるため)
  2. 検討は、「使用者」→「空間」→「器具」の順
    「そのトイレを使うのはどんな人?」から始めることが鉄則です。
    年代、性別、疾患の傾向、車椅子の方はどのくらいいるかを考慮します。
    また、無駄な投資を防ぐためにも、手すりなどの器具の選定は最後に行います。
  3. 建築側との話し合いになるべく時間を割いて!そして臆せず意見を!

建築者は看護のプロではないため、皆さんにとっては「当たり前」のことでも知らないことが多い場合もあります。


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