看護師のお役立ち情報コーナー

認知症の患者さんの相談事例について

認知症の患者さんの事例相談について、みなさんと一緒に考えてみましょう。

相談しているイラスト1)相談内容
患者さんは67歳の男性です。脳梗塞で片麻痺があり、認知症もあります。車椅子で移動可能の方で、糖尿病を合併されています。病院から施設を転々とし、当施設に入所されました。排泄状態は失禁があり、紙パンツと尿取りパットを使用しています。トイレへ誘導していますが拒否され、うまく誘導できません。新聞紙とティッシュでおだんごを作り、尿をしみこませ、部屋に捨ててしまう状況です。どうにかやめさせたいのですが、うまくいきません。泌尿器科受診もしたのですが、「異常なし」と言われました。どうしたらよいのでしょうか?

2)キーワードを選び出してみましょう。
この作業は、患者の状態に影響を及ぼす可能性のある事象を挙げて、各々の関連や問題への影響を考えていきます。

  • 60歳代男性
  • 脳梗塞
  • 認知症
  • 糖尿病
  • 施設を転々としている
  • 尿失禁
  • 排尿誘導できない
  • 新聞紙とティッシュでおだんごを作り、尿をしみこませて部屋に捨てる
  • 泌尿器科で異常なし

などが考えられます。

3)アセスメント
病態をいくつかに分けて評価する方法です。身体的問題、精神的問題に分けて評価するのが望ましいでしょう。

a)身体的問題の評価

  • 泌尿器科受診でどのような検査をしたのか確認する
  • 失禁がある=どのような失禁が考えられるのか
  • 脳梗塞から過活動膀胱の排尿疾患(過活動膀胱、切迫性尿失禁)はないのか
  • 糖尿病や前立腺肥大からの溢流性尿失禁はないのか、残尿の有無は
  • 脳梗塞からの機能性尿失禁が考えられるか
  • ADLを確認し、排泄用具の見直しをする(尿器、ポータブル、安楽尿器など)

b)認知症の評価

  • 認知症からの機能性尿失禁はないか
  • 誘導を拒否されるか
  • 尿意はあるのか
  • タイミングが合うか

4)問題点に対しての評価は、今回の質問の中心です。経過の分析が必要です。

  • 新聞紙にティッシュでしみこませる意味は
  • いままでの病院施設で、排泄に対し尊厳のあるケアを受けていたか
  • いやな言葉を言われ、叱られた経歴はなかったか
  • おむつでの排尿をすすめられた経歴はなかったか
  • 生活習慣を家族から聞くことにより、尿をティッシュにしみこませる意味をみつける

ケアする女性と患者のイラスト5)具体的な排泄ケア

  • 排尿日誌をつけてアセスメントをする=失禁の種類の推測、残尿の有無の推測をする。誘導の時間を推測し、誘導する。
  • 尊厳を守る声かけや態度で接する
  • 決して叱らない
  • できることをほめる
  • 汚れたものを一定の場所に捨てるようにし、できたらほめていく
  • 統一したケアをチームでしていく
  • 身体的な疾患がありそうであれば、排尿日誌をつけ、再度、泌尿器科受診する(排尿日誌を持参する)
  • 便秘の有無の確認、便秘ならば改善していく

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