看護師のお役立ち情報コーナー

看護師が見つける残尿について

尿がたまっていても出しにくい排尿困難や、自分ではほとんど尿が出せない尿閉がある場合、心配なのが残尿です。残尿は感染や結石の原因となるだけでなく、図1に示すような様々な疾患と関わっています。

尿閉があり、排尿がない場合は誰もが残尿に気がつきます。残尿がある場合、症状として尿閉と頻尿と失禁が見られます。しかし、頻尿や失禁のときは、症状の対応だけで終わっていませんか?
残尿測定を行うことにより、残尿の有無とそこに隠れた疾患を明らかにすることが可能です。

今回は事例をもとに残尿の見つけ方を記載しました。

1.排尿困難によって起きる排尿障害

残尿の有無によって治療方法や対応方法がまったく違います。
残尿がある場合、早期に泌尿器科の受診などの対策が必要になります。

排尿困難によって起きる排尿障害図

2.残尿と関係がある疾患

図1

  • 脊髄損傷
  • 二分脊髄
  • 脳血管障害(脳出血・脳梗塞)
  • パーキンソン病
  • 多発性硬化症
  • 糖尿病
  • 椎間板ヘルニア
  • 腰部脊椎間狭窄症
  • 前立腺肥大症・前立腺がん
  • 排尿筋協調不全
  • 子宮全摘のOP後、大腸がんOP後
  • 腰椎麻酔後 
  • 薬の副作用
  • 飲酒など

3、残尿を見つける方法

  • 導尿
  • 超音波エコー
  • ブラダースキャン
  • 排尿日誌
  • 腹部の観察(腹部の膨満感があり、慣れた看護師ならこれだけで見つけます)
  • CT

残尿測定のメリット・デメリット表

4、排尿日誌からのアセスメント

  1. 排泄パターンの把握
  2. 失禁のタイプの推測
  3. 残尿の有無の推測
  4. 最大膀胱容量のチェック
  5. 水分出納のバランスチェック

排尿日誌をつけてみて、以上のような内容をアセスメントすると、排尿障害に対し治療が必要なものかを確認できます。

ブラダースキャン図
残尿をはかるコンパクトな機械です

5、事例 1

  • 70歳代女性。右側頭葉脳梗塞。認知症ない。
  • 既往歴  子宮筋腫で手術。糖尿病あり、コントロール不良。
  • 左不全麻痺が現れ、救急センター受診。右側頭葉脳梗塞にて入院となる。ADL動作は介助が必要である。座位保持は自立できる。
  • 入院後より頻尿の訴えあり、尿道留置カテーテルは本人が拒否され、尿器で排尿なく、医師の指示により、ポータブルトイレにて要介助で排尿。
  • 1時間おきにトイレコールがあり、本人より、もともとトイレは近いほうであり、回数は気にならないと訴えている。

アセスメント図


6、経過・排尿ケア

  • ブラダースキャンで残尿を測定すると、500ml程度の残尿が確認でき、導尿で510mlの残尿があった。
  • 泌尿器科受診にて神経因性膀胱の診断を受けた。内服(α1-blocker)開始。血圧低下に注意し、内服管理を行なった。
  • 残尿測定 4回/日。250ml以上あれば導尿した。
  • 移動動作をOTに依頼、統一した介助をする。
  • 排尿時ナースコールで知らせてもらう。

7、退院時

  • 残尿がなくなった
  • 杖歩行が可能になり、トイレで排尿が自立できる状態になった。
  • 移動動作に時間がかかるが、失禁なく、8回/日の排尿に減少した。
  • 自宅でのトイレの改修が必要になり、洋式トイレ、手すり、扉を改修し、退院となった。

8、まとめ

排尿障害に1番最初に気がつくのは、日常のケアを行う看護師や介護士です。
しかし、アセスメントがされていないために医療につながってこないケースは多くあります。
残尿に対しての意識を変え、症状の対処にとどまらないケアをめざしましょう。


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